2020/10/15 - うま吉の初心者向け競馬の基礎知識!
競馬で高額配当が的中したときに『税金を払う必要はあるの?』と心配に思った人もいるのではないでしょうか?
結論から言うと、非課税の宝くじとは違って競馬の配当には税金がかかります。これを確定申告して税金を支払わなければ脱税として罰せられることも…。
特に注意をしてほしいのが『高額配当が当たったけど、年間収支はマイナスだよ』という方です。例え年間がマイナスでも税金を払わなければいけないケースがあります。
近年に法改正され、昔は大丈夫だったけど今はダメといったケースもありますので、せっかく馬券が当たって嬉しい気分を台無しにしない為にも、注意が必要です。
ここでは競馬にかかる税金について解説していきます。競馬で勝っているという人も負けているという人も、正しい知識をつけておきましょう!
★記事のもくじ★
『少しでも当たれば税金を払う必要があるのか?』と思う方もいるかと思いますが「年間で○○円の利益があれば支払わなくてはいけない」というように、基準が決まっています。
この基準についてですが、競馬の払戻金が所得税の中で“一時所得”または“雑所得”のどちらに区分されるのかによって変わってきます。
この2つの区分は非常に重要な部分ですので、以降で詳しく説明していきます。「自分がどちらの区分になるのか?」というのを考えながら確認してください。
またどちらの区分になるかで、税金の計算方法も変わってきますので、しっかりと理解しておきましょう。
まずは所得税を考える上で知っておくべき3点を簡単に説明しておきます。
所得税を支払う必要があるかどうかを判断する上で、①自分が得た利益(払戻金)、②利益を得るためにかかった経費(馬券の購入代)、③控除額(この金額を超えなければ支払いの必要はない)、という3点が重要です。税金は1年毎に計算されるので、計算方法はまず①と②の1月~12月の合計金額を出します。
ちなみに次項で説明する「一時所得」と「雑所得」では②がどこまでを対象とするかという点が変わってきます。
そして「①自分が得た利益」から「②利益を得るためにかかった経費」を引きます。ここでマイナスになれば支払いの必要はありません。もしプラスになったとしても税金の区分によっては「③控除額」があり、この金額を①-②からさらに引いてマイナスになれば払う必要はありません。簡単に言ってしまえば、「競馬で利益が出ていても控除額よりも少なければ払わなくてよい」ということですね!
一時所得とは、サラリーマンの給与所得や資産の譲渡による譲渡所得など、基本的な所得に該当せず、かつ「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外」等の基準に該当するものをいいます。
いわゆる臨時収入のようなもので、生命保険の一時金や懸賞金、景品相当額などが対象です。基本的に競馬や競艇などのギャンブルは【一時所得】として扱われることが多いので、このブログを見ている方はコチラに当てはまると思います。
そのため「払戻金額」から「的中馬券の購入費用」と「50万円」を引いた金額が年間でマイナスであれば税金は払わなくて良いということになります。
ここで引っかかった人も多いと思いますが”的中馬券の購入費用“ということは「ハズレた馬券代は経費に含めることが出来ない」ということです。
そのため、もし100円の馬券を年間で1万点、合計で100万円分購入し、1つが60万馬券になったとします。年間での収支はマイナス40万ですが、経費として認められるのは的中した馬券代の100円のみ。利益は60万、経費は100円、控除額は50万ということで、99,900円が課税対象額となり、税金を払う必要があります。
雑所得とはサラリーマンの給与所得や資産の譲渡による譲渡所得など、基本的な所得に該当せず、かつ「営利を目的とする継続的行為から生じた所得」に該当するものをいいます。
いわゆる、副業の収入やFXや仮想通貨、株取引などの儲けが該当し、一定以上の利益を継続して得ているかどうかが雑所得になるかどうかの判断基準となります。
一時所得とは違い、ハズレ馬券も経費として含むことが出来ます。そのため、先ほどと同じ例を参考に見てみると、100円の馬券を年間で1万点、合計で100万円分購入し、1つが60万馬券になったとします。利益は60万、経費は100万円、ということで、課税対象額がマイナスとなり、税金を払う必要がありません。
ここまでで『自分の馬券も雑所得して扱いたい』と思った方は多いと思います。
ではどのようにしたら馬券による収益が雑所得として認められるのでしょうか?国税庁のホームページに具体例が掲載されていたので紹介します!
馬券を自動的に購入するソフトウエアを使用して定めた独自の条件設定と計算式に基づき、又は予想の確度の高低と予想が的中した際の配当率の大小の組合せにより定めた購入パターンに従って、偶然性の影響を減殺するために、年間を通じてほぼ全てのレースで馬券を購入するなど、年間を通じての収支で利益が得られるように工夫しながら多数の馬券を購入し続けることにより、年間を通じての収支で多額の利益を上げ、これらの事実により、回収率が馬券の当該購入行為の期間総体として100%を超えるように馬券を購入し続けてきたことが客観的に明らかな場合の競馬の馬券の払戻金に係る所得は、営利を目的とする継続的行為から生じた所得として雑所得に該当する。※国税庁HPより引用
要するに馬券への投資システムなどを用いて自動で馬券購入資金を運用したり、過去の膨大なデータを調べたりして、そこから的中しそうな馬券パターンを毎週の複数のレースで購入するなど「営利を目的とする継続的行為」として認められるような買い方をしなければなりません。
もちろん原則としては”競馬の馬券や競輪の車券の払戻金等は一時所得”とされているので、趣味程度で楽しんでいる方や毎週買うような余裕はないという方は、まず雑所得として認められるのは難しいということになります。
もちろん競馬の払戻金が「営利を目的とする継続的行為」として認められ、雑所得として扱われた例は存在します。これについていくつか紹介していきます。
とある北海道の男性は2004年~2010年の6年間の間に約72億円分の馬券を購入し、約6億円の利益が出ていました。この利益が一時所得か雑所得のどちらに当たるかが争われました。
この男性は自動購入ソフトを使って、大量に馬券を購入し続けていたため、「営利を目的とする継続的行為」として認められ、雑所得に当たるとする判決が出ました。
寝屋川市職員の男性は2012年と2014年にWIN5で高額配当を的中させ、その他の的中馬券と合わせると、約4億3000万円が未申告として国税局より起訴されました。
宝くじに近い特性があるWIN5は継続的に得ている利益とは認められにくい部分があるため、今回の事件では一時所得として扱われました。
「一時所得や雑所得の違い」「どちらに区分されるのか?」などについて詳しく説明してきました。ここで最も知りたいのは『そもそも納税しなかったらバレるのか?』という点です。これについて個人的な見解を書きたいと思います。
非常にグレーな部分に当たりますが、「そこまでシビアにやっていたら競馬のファン離れが進む」「窓口で現金による払い戻しを受け取るやり取りを税務署が補足するのは難しい」という点から、バレる可能性は非常に低いと思われます。
しかし現在はインターネットの普及で、パソコンやスマホで馬券が変える時代へと変化しています。
競馬場やウインズで馬券が売られているうちは大丈夫かもしれませんが、全ての馬券がネット上で買うようになった時は、的中馬券の利益に対して税金の申請書が送られてくるなんてことがあるかもしれません。
裁判になった例を見ても、数億円の利益を得ている方が対象となっているようです。年に60万~100万馬券を的中させて、かつ納税していない方は多いのではないかと思います。
WIN5の的中が問題となった事件でも、WIN5はネットでのみ購入ができるので「ネットで購入した馬券は払い戻しの動きがバレるのか?」という話もありました。
そもそも公営ギャンブルといものは馬券を購入した時点で10%が国庫納付金として国に収められていいます。そのため所得税としての納付は「二重課税になるのではないか?」という指摘もあります。
様々な意見があり、より競馬ファンが楽しめるように改善されるのが望ましいですが、現状は原則として一時所得。気持ちよく楽しめるように、高額配当を獲得した場合にはしっかりと納税をしておきましょう!
近年はインターネットの普及に伴い、税金に関していろいろと法改正されています。気になる方は国税庁ホームページに記載されていますので、確認してみることをお勧めします。
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